リモートワークはむずかしい

リモートワークを初めて数年経つ。管理職としてチーム単位のパフォーマンスで見ると、リモートワークは出社に劣ると言わざるを得ない。理由はコミュニケーション量が減ることと、気付きが減ることにある(気づきが減る、ということにすら気づかないので、このデメリットは本当に深刻だと感じています)。リモートワークは手順が決まったオペレーションとは相性が良いけど、何かを新しく始めたりとかチームをより良くしていくみたいなのとは、相性が悪い(なので、新人の受け入れも相性が悪い。したがって、チームは人が新陳代謝していくごとに弱くなっていく)。

 

出社のメリットをリモートワークでも享受することはできないのだろうか、というと、これは可能だと思う。なので、ちゃんとうまくやれば、リモートワークは出社よりもパフォーマンスは上がると思っている。

 

ただ、「うまくやる」というのが、実質無理だと思っている。リモートワークをうまくやるには、「別に出社でも良い」と思っている人たちだけで、リモートワークをする必要がある。パフォーマンスが最優先で、働き方はその次、という優先度で働いている人たちなら、リモートワークはだいぶうまくいくだろう。

現在、リモートワークにこだわっている人たちは、パフォーマンスよりも働き方のほうが優先されている印象がある。そうなると、組織を変えるのが難しくなり、改善が難しくなる。ビデオ会議でカメラを頑なにカメラをオフにするような人は、本来、リモートワークに向かない。チームパフォーマンスよりも自身の働き方を優先している。

 

そして、これが厄介なんですが、リモートワークは個人のパフォーマンスは上がっているような錯覚をするので、一人ひとりは問題ないと感じてしまいがち。「私のパフォーマンスは大丈夫です。チームのパフォーマンスが落ちているなら、それはマネジメントの問題です」みたいな対立になってるのを、あちこちで見た。

 

リモートワークはだいぶ浸透してきたけど、今はまだ成熟していないように思う。今後も根付くのか、徐々に淘汰されていくのか。リモートワークがある方が、いろんな人材(地方在住者、子育て中の人、シニア層)が働きやすくなって、良い世の中になると思うのですけども。