新規か運用か

アプリゲームがゲーム市場の多くを占めるようになり、ゲームQAという仕事も、リリースまで頑張って終わり、というわけにはいかなくなりました。リリース後の運用フェーズのQAという仕事が生まれたのが、過去のゲームQAと異なる点ではないでしょうか。

 

個人的には、立ち上げQAも運用QAも、それぞれ長短あると感じてるので、思うところを書いてみようかなと思います。なお、最初に私見を言っておくと、QAとしての成長を重要視するならば「基本は運用、一度は新規」、という感じです。

立ち上げのQAは、数をこなしても、あまりメリットがないかなぁ、と思ってます。新規で得られるスキルは、概ね運用でも得られるし。

 

運用のQA

最大のメリットは、「フィードバックが早くて多い」ということです。リリースを繰り返していくため、何が良くて何が悪かったか、という振り返りの機会を多く持てます。

また、フローが良くも悪くも固まっていて、スケジュールと予算がタイトに決められていることが多いため、「どうすれば、限られたリソースで、効果的に品質をあげられるか」ということに、頭を使うので、QAとしての地力がアップします(頭を使ってない人もそれなりにいますが。すぐスケジュールとテスターの数を調整しようとする人)。

 

デメリットは、一つのタイトルに関わり続けることで、マンネリ化に陥りやすく、1年も経過すると成長も止まりがち、ということです。
マンネリ化してきたな、と感じたタイミングで、チームを異動できればいいのですが、長期間関わると、QAスタッフがドメインに詳しくなり、周囲からは評価されやすくなるため、自分自身もとどまりたくなるし、開発チームも手放さなくなり、異動するのに想像以上に労力がかかります。

あと、チームそのものがマンネリ化してる場合もあり、保守的なチームも少なくないです(ただ、その雰囲気を変えることができれば、大きな成果となるでしょう)

 

新規のQA

メリットは長期間(数ヶ月)の大規模なQAを経験できるということでしょう。テスト設計に1ヶ月というのも珍しくありません。

チームやフローやツールも、ある程度、自分好みにできるので、働きやすい環境が作れるかもしれません。

また、リリース後には大きな達成感を得ることもできます。

 

デメリットは、フィードバックが少ないということが挙げられます。特にQAチーム外からのフィードバックは、運用と比較すると、極端に少ない傾向にあります。QA期間中はQAはひたすらテストの消化に追われ、開発チームも追い込みで切羽詰まってるため、振り返っている暇がないためです。

リリース後にフィードバックが得られればいいですが、長い期間を経た割には、少ないフィードバックになりがちです。それどころか、開発が中止になった場合は最悪で、フィードバックすら得られません。素振りだけして終わり、みたいなもんです。

また、なにかしら課題に直面しても、残業か増員かスケジュール延長で対応しがちです(まぁ運用でもそれで解決しちゃうこと多いけどな…)。頭を使わずに解決してしまうので、QAとしての地力が身につきません。

したがって、新規のQAは、時間を掛ける割には、成長に繋がりにくい、という印象です。ある程度、経験を積んだ初中級者が一皮むけるには、とても良い題材ではありますが。

 

まとめ

ということで、それぞれ、メリット・デメリットあるので、自分自身のキャリアプランや成長プランに応じて、所属するチームを検討しましょう。