市販されてるテスト関連の技術書で、今のところ唯一ゲームにフォーカスした本(多分)。5000円という強気のお値段でも有名。
- 作者: Luis Levy (ルイス・レビー),Jeannie Novak (ジェーン・ノバック),加藤諒,株式会社Bスプラウト
- 出版社/メーカー: ボーンデジタル
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 大型本
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ゲームテスターという仕事を始めたばかりの人、あるいは、ゲーム業界での就職を志望する人向けの本で、どちらかといえば初級者向け。専門的な記述少なめ、業界談義多めなので肩肘張らずに読めます。ただ、翻訳本なので海外の話がほとんどですが。
内容は確かにライトなのですが、ゲームテスターという仕事が如何に不安定なのかということをぶっちゃけて書いているので、ゲームQA業界の特に若い人には是非読んで欲しい一冊です。僕は自分のチームの若者には、特にチャプター2とチャプター8は読んでもらって、危機感を煽ってます。
CHAPTER 1 QAとテストの歴史
ゲームの黎明期は、開発者がテストすることが多かったが、ゲームが高度化・複雑化していくにしたがって、テストという仕事が独立するようになった。また、任天堂を初めとしたプラットフォーマがデベロッパに一定以上の品質を要求したことも、テストという仕事が生まれた一つの要因。
テスターに求められる素養も時代によって変化するもので、ファミコン時代とPS4時代では、テストの質もボリュームも全く異なっている。
以下メモ
・QAとテストプレイで可能になること
テストプレイを通じて、ゲーム業界に入る
テスターとして生活する
自分が希望する開発会社や販売会社の正社員になるための近道としてテストプレイを利用する
・任天堂には、彼らが独力で北米に再び喜びをもたらしたこと(※ファミコンが世にでる前に、アタリショックでゲーム業界がめちゃめちゃになった時代があった)、そしてゲームテスターという職業を生み出したことに感謝するべきでしょう
・1985年に人展動画ビデオゲーム市場を復活させた時の主要戦略の一つとして、厳格な品質基準の施行があった
・ゲームのメディアがCD-ROMになったことは、ゲームの表現とボリュームに変化を与えただけでなく、プロジェクトに必要なテスターの人数にも変化を与えた。
・容量が増大すれば、テストプレイの複雑さも増す
・テストプレイの見地からすると、「オープンワールド」のゲームの登場によって、テストがかなり複雑になった。
・ゲームが複雑化することによって、テストプレイは重要な産業になった。
・PCゲームのテストプレイは、コンシューマとは別物である。
・PC用ゲームには多くの問題が起こる可能性があるので、優秀なテスターだけがPC用ゲームのテストプレイを担当することが出来る。
・テスターはプレイするゲームを選ぶ事はできませんし、プレイする仲間も選べない。
・ゲームテストの業界に入る動機のきっかけとして、「ゲームを制作したいから」というのは良い答えです。テストプレイは開発会社の正規雇用に繋がる場合があります。
・一番重要なことは、テスターとして仕事を始めた際に、自分が何をしているのか、自分がどこへ向かおうとしているのかを把握しておくことです。