仕組みでどうこうじゃなくて、マインドの問題かもしれない

実際に目にしたインシデントを振り返ってみるコーナー。

 

事例:一部のリソースが、実は最新じゃない状態でリリースしてしまった

 

凡ミスの類。
確かに不具合だけど、大した事ないんじゃない?と思うなかれ、ゲームだとコラボイベントなどで版元が絡んでると、かなり大問題になるのです。

 

リソースにも色々あります。ゲームだと、画像、音声、データ、ソースコードなど。
最近は、バージョン管理ツールを全ての部署で利用することもあるので、この手の不具合は、起こりにくくなってはいます。特にコードは。

 

しかし、画像や音声に関しては、外注してたり、こだわり派のデザイナが締め切り過ぎても(こっそり)手を加えたりで、管理が行き届かない現場も、よく見かけます。

スケジュール守りましょうね~、最新のものをこっそりコミットしたりはしないようにしましょうね~、と伝えても、こだわることが正義だと思いこんでたりもするので、あまり響かず同じ失敗を繰り返しがち。

 

 

「今、俺が見ているデータは最新なのか?」という保証は、結構難しい。

テストする段階で、諸々の素材はfixしてることが好ましいが、スケジュールがタイトな現場だと、仮素材でとりあえずテストを走らせつつ、fix次第、組み込むということも珍しくない。そして、fix素材アップしました、からの、やっぱ微調整しました、が繰り返されると、プログラマが更新し忘れたり、仕様となるドキュメントを更新し忘れたりで、ミスが入る余地が増えてしまう。

 

また、デザイナとプログラマは、別の管理方法を取ってる現場もあって、

①デザイナが最新データを共有サーバに上げる
プログラマそこからデータをとる
③ゲーム内フォーマットに加工して組み込む
プログラマ用のリポジトリにアップする

みたいな感じだと、最新の生素材から組み込みまでに複数のプロセス(しかも手作業の)が入るので、ここをミス無く運用するのは、難易度が高い。

 

これを防ぐにはどうしたらいいのか。
まぁ、余裕を持ったスケジュールを引いて、特定の日以降は素材の更新を認めない、というのが正攻法ではある。けど、そうも言ってられない場面もあるわけで、なので、大事なのは、「この画像・音素材が最新です」と記したドキュメントを作成し、それの更新を徹底することかなと思う。そのドキュメントがあれば、最新のビルドと素材の突き合わせを関係者全員が行うことができ、仮に素材の更新漏れがあったとしても、誰かが気づく可能性が高くなる。

 

しかし、ドキュメントの更新というのは、大抵が手作業で、忘れがちだしミスも起こりがち。つまり、「今、俺が見ているドキュメントは最新なのか?」という保証も難しいわけで、堂々巡りの様相を呈してくる。

 

解決策としては、ドキュメントの自動化とかかな?
それか、絵や音声に関しては、QA時に制作者に最終チェックしてもらうとか。作った人が、一番、細かいところまで知ってるからね。

ただ、後者の場合は、素材制作者がQAプロセスのボトルネックになりがちなので、そこがデメリット。「最終チェックしてください」と依頼をしても、全然見てくれなかったりね。

そこを解決するには、関係者が定期的に集まる場を強制的に設けて、そこで滞留してるタスクを動かすとかかなぁ。朝会とか夕会とか。この手の、ミーティング嫌う人多いけどね。

 

 

素材の更新ミス、みたいな単純な問題でも、それを徹底して防ぐのは難しいのです。