なぜネガティブなフィードバックは隠されてしまうのか

会社でも家庭でも、本当にまずいことというのは、案外対処されない。リスクをリスクのまま放置して、いずれインシデントになる。 たとえば、従業員に高圧的な態度を取るスタッフ(Aさんとします)がいて、それを苦痛に感じている人が複数いるとする。当事者含…

育成なのか選抜なのか

社内外の管理職レイヤーの方とお話していると、メンバーの育成に対する悩みが多い。しかし、よくよく聞いてみると、それは「育成」ではなく「選抜」なのではないだろうか?と思った。 習得すべき知識や技能があり(役割といっても良い)、それらを身につけるた…

マネジメントのお仕事を始めてから5~6年経ちますが、マネージャーのお仕事の一つにメンバーのアサインがあります。 各メンバーのパフォーマンスと将来性を考慮し、誰に何を任せるか、誰と誰を一緒にするか(あるいはしないか)を、いつも考えてました。 ぶっち…

面接と商談は似ている。というか似せていきたい。

面接を受けるのも苦手だし、面接官のお仕事も苦手な業務のひとつです。 何がその苦手の根本にあるのかな、と考えてみたときに、「目的と効果がいまいち不明瞭な質問とその解答で、評価が決定されること」にあるような気がした。ということは、それらをクリア…

コミュニティへの貢献に対する報酬について考える

先日、とあるミーティングで「テックブログ等で社内外への情報共有を活性化させるためには、どうすれば良いか」という話題になりました。結構、活発な議論になりまして、その時は「記事を書いてくれた人に何かしらの報酬が支払われるべきか否か」が焦点だっ…

たとえ話:知識を身につけることの大切さをトースターで例える

ゲームQAの人はWeb系のQAと比較すると、あまり勉強熱心じゃない気がする。勉強の必要性を感じていないのかもしれない。JSTQBのような資格の取得を促しても「それは意味があるのでしょうか?」と言われることも、ままある。 勉強の何が大切なのかというと、勉…

地域ボランディアに参加し、ゲームQAとの共通点に気づいた、の巻

地域のボランティア活動に参加してきた。 とりあえず、指定された場所に行き、適当に挨拶していると、「ボランティアの方ですか?この荷物をあそこの地点まで運んでください」みたいな指示が来て、そのとおりにやる。それが終わると、また別の指示が来て、そ…

リモートワークはむずかしい

リモートワークを初めて数年経つ。管理職としてチーム単位のパフォーマンスで見ると、リモートワークは出社に劣ると言わざるを得ない。理由はコミュニケーション量が減ることと、気付きが減ることにある(気づきが減る、ということにすら気づかないので、この…

テスト項目書の扱いを変えるときが来ている気がする

ここ数年、「アジャイル開発でいかにしてQAとして価値をだすか」を考える機会が増えた。「スピードと品質を、どうやって両立するか」と言い換えても良い。 以下時と場合による、という大前提だけど、僕は最近、テスト項目書を作らないことが増えた。テスト項…

ゲームQAに特化した書籍がついに出た。そして、ゲームQA業界が抱える課題について

ゲームをテストする バグのないゲームを支える知識と手法 | 花房 輝鑑 |本 | 通販 | Amazon 明日から使える技術的なことも書いてあるし、QA部署を立ち上げることになった人に役立つ情報もあるし、ゲームQA業界の歴史読み物にもなっている。ゲームQAに携わる…

dialogue based managementというものがあってもいいかもしれない

天ぷらを10年揚げられず…伝統文化の「下積み」は本当に必要? 賛否両論に専門家は https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190709-00043970-otonans-life 読んだ感想としては、下積みが要る要らないではなく、下積みの内容を見直すかどうか、ということ…

新規か運用か

アプリゲームがゲーム市場の多くを占めるようになり、ゲームQAという仕事も、リリースまで頑張って終わり、というわけにはいかなくなりました。リリース後の運用フェーズのQAという仕事が生まれたのが、過去のゲームQAと異なる点ではないでしょうか。 個人的…

科学的と工学的

たとえば「何をもってして、サービスの品質が良いと言えるか?」 という問いに対して、アプローチは2つ考えられます。 ①「品質」を言葉や数値で定義し、それをクリアしていれば、品質が良いとする②関係者全員に「品質が良いと思うか?」と質問し、多くの人が…

僕はサッカー部のレギュラーでした

だからどうした、とみんな思うでしょう。はい。 でも、同じようなことを採用面接の場とかで、よく耳にするのです。「リーダをやってました」「立ち上げを経験しました」「管理やってました」ってやつです。 この手のアピールは、一見すると、「お、すごそう…

落ちるりんごを見て引力を発想できるのか?の件

バグを見つけるだけがQAの仕事じゃない。上流工程から関わっていって、バグそのものを減らすのもQAの仕事である。 …って話はよく聞くが、そんなん言われても、バグをそもそも減らすって、どうすりゃいいのさ、と悩んでる人がまぁまぁ見受けられるので、今回…

頑固さは失敗のもと

たとえば恋人が、あなたのために料理を作ってるとしましょう。 料理スキルの高いあなたは、恋人の作業工程やレシピをみて、どうみても料理が失敗することが予想できました。こんなとき、どうしますか? 作業工程の途中で、「このまま進めても失敗するよ。ま…

昔から、冬は寒いし夏は暑い

プロジェクトの品質に問題が合ったとき、どこに働きかけるべきか?ということを、QAは、まず、ちゃんと考えなければいけない。 どういうことかというと。 テストプロセスにもに色んなファクターがある。予算とか、テストの対象とか、スケジュールとか、ツー…

『ゲームテスト&QA』 その7

1日30分のペースでドラクエ11を続けています。 switchが買えません スーファミミニも買えません 以上、最近のゲーム近況でした。 ということで、続き。 ゲームテスト&QA 作者: Luis Levy (ルイス・レビー),Jeannie Novak (ジェーン・ノバック),加藤諒,株式会…

知ったかぶろう。Jenkins編

ジェンキンス! ね、聞くでしょこの名前。あなたの職場でも。 ゲームQAという職種では、あまり使うことはないかもしれませんが(web系とかIT系のQAエンジニア職だと、使うこともあるようですが。求人の募集要項とか見る感じだと)、一緒にお仕事しているエンジ…

夢のような仕事(悪夢じゃないとは言っていない

海外のゲームQAってどんな感じなんだろう?とふと思ったので、英語の勉強がてら、適当に検索してひっかかった以下のページを翻訳してみました。 www.businessinsider.com ゲームテスターの実情について正直に書かれています。業務内容の詳細だけではなく、賃…

愛嬌こそが最強の武器

「障害を減らそう、機嫌よく働こう、自分の市場価値を高めよう」というのが、僕がマネジメントしているQAチームのビジョンです。自分で言うのもなんですが、このビジョンを作れたこと、特に「機嫌よく働こう」というフレーズを作れたことが、ここ数年の一番…

ブレーキにもエネルギーは要る

テスト計画というと、いつ何をどれくらいのリソース充ててテストするのか、というところに焦点があたりがちだけど、テストの中止条件もちゃんと定めといたほうがいいんじゃないか。というお話。 「バグが出まくりだし、収束しないし、テストしても意味なくね…

人は怒りながらマラカスを振れない

オードリー若林の書いたコラムを読んでます。いい感じに人見知りと被害妄想をこじらせてて、とても親近感がある。 完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫) 作者: 若林正恭 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー 発売日: 2015/12/25 …

『ゲームテスト&QA』 その6

ドラクエ11のダウンロード待ち時間の間に、ブログ更新。 近所のツタヤで購入したのですが、ダウンロード版も最後の1個でした。売れてるようですね。僕の周りの従業員も先週末はドラクエ漬けだったみたいです。同世代の評判は良いので、楽しみ。 ゲームテスト…

結局は人を相手にする仕事

現状、ゲームQAの専門書や記事って非常に数が少ないので、独学するときは他業種に目を向けることが多いです。 最近参考になるなと思ったのは、医療の現場に関するものです。医療とQAは、仕事の性質や、業務のフローなど、結構似通っている部分が多いと感じて…

『ゲームテスト&QA』 その5

EVO2017の最終日を家で見てました。スト5が劇的やった。 自分が携わったゲームがユーザ参加型のイベントに使われたことがあるのですが、ユーザが夢中で楽しんでる姿を見るのは、やはり良いものでした。一生懸命不具合取り除いて、ユーザがバグに気を取られる…

仕組みでどうこうじゃなくて、マインドの問題かもしれない

実際に目にしたインシデントを振り返ってみるコーナー。 事例:一部のリソースが、実は最新じゃない状態でリリースしてしまった 凡ミスの類。確かに不具合だけど、大した事ないんじゃない?と思うなかれ、ゲームだとコラボイベントなどで版元が絡んでると、…

『ゲームテスト&QA』 その4

GW最終日。しくじり先生のアンミカが面白い。 GWは遊んでばかりいたので、罪悪感を少し紛らわすために、勉強用のこのブログを更新してみる ゲームテスト&QA 作者: Luis Levy (ルイス・レビー),Jeannie Novak (ジェーン・ノバック),加藤諒,株式会社Bスプラウ…

『テスト担当者を悩ませる、10の難題克服法』 その12

年度末評価の時期です。 仕事は概ね想定通りの進捗だったんですが、一点、この半年で新しい人が一人も入らなかったのが、残念でした。 まぁ、人手は足りてるんですが、それはそれとして、人の流動が無いと、チームはいつか停滞しちゃいます。変化を嫌うチー…

『テスト担当者を悩ませる、10の難題克服法』 その11

年度末でございます。仕事は、半年前に立てた目標が、まぁまぁ達成され始めてて、細やかな充実感が得られたりしてます。 一方、私生活では、2017年は早寝早起きと目標を立てたのですが、一向に目標達成できる気配がありません。眠い。 ということで、この本…